MACD(マックディー)は相場の方向性を見るツールとして世界中の投資家に利用されています。正式名称は「Moving Average Convergence Divergence」と言い日本語で「移動平均収束拡散指標」と翻訳します。
右図は、赤い線がMACDで、緑線はシグナルと言って9日(週・月)間で算出されたMACDの移動平均線、緑の線はゼロを示すラインです。 さらに図の青い線、MACD2というチャートも存在します。 MACD2は、MACDからMACDシグナルを引いたもので、ゼロはMACDとシグナルが同値ということを意味するものです。
MACD及びMACD2は、移動平均線による分析を発展させたテクニカル分析です。「移動平均線」は、過去一定期間の平均値を単純に計算したものです。しかし、MACDで分析する際に用いられるのは、指数移動平均といい、過去の値より直近の値を重視します。状勢を見る上や人の心理を洞察する上でも、最新の動きが重要であるという考えの基づいたテクニカル分析です。
売買のサインとしてのMACD
実際の売買の動きを表すローソク足チャートとMACD、2つのチャートを比べてみると、売買サインと値動きのタイミングが高い確率で一致しています。
MACDとシグナルがゼロラインとの交差は売買タイミングの重要なポイントになります。 2本の線がゼロラインを上抜いた時には上昇トレンドの継続を意味し、ゼロを下抜いた場合は下落トレンドの継続を意味します。
MACDで見る「ゴールデンクロス」「デッドクロス」
MACDのもう1つの活用法として「MACD」と「シグナル」のゴールデンクロス、デッドクロスを見るという方法があります。MACDと、そのMACDの9日移動平均線であるシグナルが交差する点で売買の判断をするというものです。 MACDは、2つのラインが近づき始めたり、離れ始めたりする動きに反応します。シグナルの参照期間も「9日」と短いため、移動平均線がクロスするよりも早いタイミングで「サイン」が出現します。下段のMACDが、ゴールデンクロスを早いタイミングで示していることが分かります。
MACDは移動平均線より早くトレンドを示す性質があり、かなり有効なテクニカル分析ですので、ぜひ覚えていただきたいです。
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